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スクープでようやく分かるのが事実

高い放射線量、東電公表せず 3号機、水素爆発前に把握
 福島第一原発の事故をめぐり、東京電力が、3月14日に水素爆発を起こした3号機の原子炉建屋について、その前日から高い放射線量のデータを把握していたにもかかわらず、公表していなかったことが分かった。東電の内部資料で判明した。原子力の専門家らは「作業員や国民の情報共有のため、具体的な数値をいち早く明らかにすべきだった」と指摘している。
 この爆発で東電社員7人が負傷。今後の事故検証で、データ共有しなかったことが避難の遅れにつながらなかったかなど、東電の対応ミスの有無が焦点の一つになる見通しだ。この内部資料もそれを判断する材料になるとみられる。
 朝日新聞が入手した内部資料は、地震が発生した3月11日から4月30日までの期間に、福島第一原発の事故をめぐる動きが時系列で並べられている計約100ページの一覧表。原発や東電本社など様々な情報を集約したとみられ、原発内の放射線量や原子炉内の圧力、水位についてのデータや、保安や復旧を担当する各班の動き、敷地内の放射線量などが、分単位で記載されている。
 福島第一原発では運転中だった1~3号機が3月11日の地震で自動停止。その後に津波に襲われた影響で全電源が喪失し、原子炉が冷却できなくなった。12日に1号機が水素爆発した後、3号機では13日午後から炉内に海水を注入して冷却が試みられたが、14日午前11時ごろに水素爆発を起こし、原子炉建屋の上部が吹き飛んだ。燃料棒が一時露出するなど炉心が損傷し、爆発しやすい水素が発生していたとみられる。
 東電の内部資料によると、3号機については、13日から、原子炉建屋内の高い放射線量のデータや水素が増えている可能性について記述があった。「二重扉内側300mSv/h(ミリシーベルト毎時)」(13日午後1時17分)、「水素がたまっている可能性が高い(1号機と同様)」(13日午後2時7分)、「二重扉北側300mSv/h以上(中は白いもやもや状態)、南側100mSv/h」(13日午後2時31分)などだ。毎時300ミリシーベルトは、福島第一原発の作業員に限って認められる年間の上限線量250ミリシーベルトと比べても非常に高い数値だが、東電はこれらのデータについて未公表だ。
 枝野幸男官房長官は3月13日午後の記者会見で、3号機で水素爆発が起こる可能性について言及したが、結局、その爆発で7人が負傷し、うち6人に放射性物質の付着が確認された。
 宮崎慶次・大阪大名誉教授(原子炉工学)は、「非常事態だからこそ現場は対応に追われていたはずで、東電本社が判断して、具体的なデータを作業員や国民に公表すべきだろう。公表しなかった本社の判断は、今後検証されなければいけない」と指摘。技術評論家の桜井淳さんも「日本の原発事故への対応は、世界的に注目を集めている。このデータにとどまらず、携わった人の証言、東電本社、国などの指揮命令、判断とその根拠、情報が正確に現場へ伝わっていたのかなど、今後も解明する必要がある」と話している。
 東電広報部は「放射線量が高いことについては、これまでも事実として公表させてもらっているが、その具体的なデータなどは公表していない。整理し、しっかりとまとめた上で公表したい」としている。(藤森かもめ、小堀龍之、野口陽)(以上(朝日新聞2011年5月13日5時31分)より引用)
http://www.asahi.com./national/update/0512/TKY201105120706.html

 今朝(5月13日)の朝刊各紙では、福島第一原発1号機が「メルトダウン」していたという記事が掲載されている。しかし、朝日新聞では、さらに詳しい東電内部資料が掲載された。
 この記事を見る限り、如何に東京電力が情報を隠蔽してきたかというのが手に取るように分かる。この記事に対して、事故から2か月経っても東電広報部は、「整理し、しっかりとまとめた上で公表したい」と非常識な見解を続けている。このような情報はリアルタイムに出さなければ、周辺住民、原発従事者の安全が確保できないことすら、未だに認識がないようだ。また、今回のスクープは、東京電力の内部資料だが、これらの内部資料がどれだけ菅邸に伝わっているのか、情報隠蔽の決断は誰がしたのか、東電なのか菅無能政権なのか、明らかにする必要がある。
 人間の五感で一切感知できない放射能の情報を隠蔽していたことは、今回の原発菅災は、東電と菅邸による「原子力犯罪」と言っても過言ではあるまい。政府では、今回の事故の検証委員会を立ち上げるそうだが、どこまで原子力犯罪に言及できるか見物である。しかし、政府主導の検討委員会など当てにできる物ではない。これまで、日本のジャーナリズムは、大本営発表を伝えることに終始し、独自取材による事実の公表はほとんどされていない。今こそ、日本のジャーナリズムの存在が問われる時だ。菅無能政権、東電、原子力行政のいい加減な対応を鋭く追求することが使命だ。(No.2929)

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